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SSTってなんだろう?
平成30年1月31日/ほうあんホッと相談カフェ 大谷

はじめに

 福祉・医療の現場において良く耳にするワードとして「SST」という言葉があります。
 SSTと聞いて、「あーこのことだ!」と思われる方も多くいらっしゃるとおもいますが、いざ「説明して!」と言われるとなかなかパッとは出てこないのではないかとおもいます。
 今回はご相談者からもご質問を頂くSSTとはどのようなものかという基本的な部分をお伝えできればと思います。

1.SST(ソーシャルスキルトレーニング)とは?

 SSTとは「人が社会で生きていくうえで必要な技術を取得するための訓練」のことです。人は沢山の人との出会いや経験から無意識的に「していいこと・いけないこと」などの社会的ルールを身に着けていきます。しかし様々な理由からルールを身に着けることが困難な方々がいます。SSTとは困難な方々が社会的ルールを身につけやすいように考案された手法になります。
 SSTとはカルフォルニア大学医学部精神科教授のロバート・リバーマンが考案した行動認知療法の一つと位置付けられています。

2.SSTはどの様なことに困っている人が対象になるの?

 社会で人と関わりながら生活していく事に困難を感じる方が対象になります。
例えば、、、
 1.指示を理解したり判断するのが難しい。
 2.得意・不得意に大きな差がある。
 3.自己行動のコントロールが苦手。
 4.コミュニケーションが苦手。
 5.運動が苦手。
 6.情緒が不安定。
等が挙げられます。

3.SSTの方法ってどの様なものがあるの?

 SSTには多くの実践方法があり、ケースバイケースにより使用される方法が違ってきます。その為、実践する場合はしっかりとしたアセスメントを取り、本人に適したSSTが提供されるように配慮しないといけません。
(SSTには以下のような方法があります。)
1.ゲーム
 「ルールを守る」や「結果を受け止める」など多くの要素が組み込まれていて楽しみながら社会性を養えるとても有効な手段です。
2.ロールプレイ
 どんな場面でどんな振る舞いをすればいいのか?ということを実際に演技したりすることで実際の場面での適切な振る舞いを学ぶことが出来ます。
3.共同行動
 「何かを作って遊ぶ」「何かを作って食べる」などの楽しいゴールに向かう過程で、他の人との相談、役割分担、助け合いといった社会に必要なスキルを学んでいきます。

※他にも日常で取り入れられるSSTや対人関係におけるSSTなど、手法は多岐にわたります。

4.SSTで大切にしたいポイント!

 様々な場所で実践されているSSTにおいて、特に大切にしていただきたいポイントが2つあります。
それは、、、
1.ほめること
 子どもにとって叱られたり注意をされたりすることは決して嬉しい事ではありません。それどころか「叱る」という行動は逆効果の場合もあります。出来ないことを「叱る」のではなく、「出来たことを認めて褒める」という事が子どもが自然に社会性を身に着けていくポイントになります。
2.スモールステップを踏んでいく
 SSTを必要とする子どもたちは、生まれてから育っていく中で自ら周りを観察して社会性を身に着けていく事が苦手な子どもたちです。その為一般的な「当たり前」が自然に出来ないケースがあります。しかし同時にその子が積み上げてきた「当たり前」も存在します。
 その子が積み重ねてきた経験を変えていく事は簡易なことではありません。変えていくためには長い目を持ち、長い時間をかけて少しづつステップを上がっていく事が必要です。支援者は焦らず、ゆっくり見守っていく姿勢が必要になります。

5.まとめ

 SST全体において言えることは一つの目標に対して細かなステップを作り、一歩一歩進んでいく事が大切になります。最初から急激な変化を求めるのではなく、最終到達目標に到達するために、小目標をクリアーし、細かなアセスメントを行い、全体で取り組んでいく事で苦手なことを一つ一つ解消しながら本人の感じる「生きづらさ」に対応していける事が大切です。

6.最後に、、、

 今回記載した内容はSSTの具体的な方法ではなく、SSTを実践する上での押さえておきたいポイントになっています。実践的なSSTの研修は数多く実施されるようになってきています。今回のWebマガジンをご覧になり、SSTに少しでも興味を持っていただけて研修に参加しよう!という想いのお手伝いができたのなら幸いです。

※研修の案内はSST普及協会というサイトに掲載されています。

※参考:LITALICO発達ナビ・SST普及協会